2018年1月5日金曜日

間違いだらけだったオーディオ・ルーム新築!!

オーデイオルーム作ってから早いもので10年、最も大仕事のリニューアル工事は床は7か月ですが壁・天井の1年経過になりましたもので、そろそろ統括的意味合いで部分的な部屋だけの事、書いてもいいかな?と・・・。

なんでも新しものを手に入れた時は誰でもブラシーボで喜んでいるもの、10年前に新築した当時は私もそうでした。つかの間。。。

しかし、稀に来られる社交辞令的お客様とは違い聴く時間が多いもので、原因は分からないもののすぐに音楽鑑賞空間としての設計や考え方の化けの皮は剥がれました。
ま、10年前なので誰も解らないことだらけでしょうがないと言えばしょうがないですし、誰にも責任はありません。逆に出来が悪かったこそのお陰でここまで勉強した部分も多く非難するものではありません。

音楽は音の集合でそれをうまく再生させるべくオーディオは好きなので色々と様々な実験的改造を執念でやってきましたが治すこと(理解できてない方に途中、壊してるなんて言われました)を調べようにも、大学の研究室では学問的レベルが低すぎ、大メーカー等が取り組むにはビジネス的コストが回収できない現実から修正や訂正したくても調べてもお尋ねしても断片的な足りない情報ばかりで(完璧に出来てない事の証明として有名なコンサートホールでさえ定期的に小改修してますしね)、しょうが無く拙い自力での暗中模索的試行錯誤の実験の繰り返しでした。

その中で得た音楽鑑賞室作りの考え方と注意したことをアマチュアの癖に僭越で申し訳ございませんが、少しアップいたします。


●共振
●音抜け
●反射

誰でも解りそうな当たり前のこれらたった3つですが、しかしこの誰でも解りそうなことがとても難解で、意外といまだに恐縮ながら誰も解っていない!!(自分でも全ては解ってません!)
これの修正に十年に及ぶ試行錯誤と少なからずの体力(高所から固い床に落ちそうになったり、漆喰剥がしでの肩腱板の断裂)と経費を費やしてしまいました(笑)

これら3つの事柄を拙い個人の経験から、ちょっとだけ整理致します。

●共振

音は空気の疎密振動なんてことは、抜きにして。
スピーカーから出た音は四方八方に広がりスピーカー自体や機器・ケーブルはもとより閉じられた空間のあらゆるものに振動を伝え共振させ耳に届周波数に凸凹の音を届けるだけでなく皆様好きな低音の沈みこみや深み・キレはもとより静けさの中の弱音や音楽の情念やニュアンスまで変化させ録音エンジニアやアーテイストの意図とは違った音楽を聴かされることになります。

スピーカーや機器・ケーブル等は使いこなしやセティングでこの共振対策はある程度部分的にだけ簡易に出来ますが、大問題は音を聴く最も大きなトータル空間、すなわち部屋!!
躯体強度の要の柱は強度があるほうが良いのはもちろんですが、最高高さ4.7mある当方の柱は今となっては普通住宅でも使われている4寸ものです。肝は部屋の天井と4面の壁そして床と天井の6面からなる内壁であることが最終リニューアル(改造マニアなどと中傷もありましたが)で解りました

当初私の部屋も普通強度の4寸柱(天井は120mm×360mm梁)に真モノ3重張りの厚く重量級の内壁構造でした。
この壁構造が諸悪の根源でした!!(気配が伝わるように作った床構造も酷かった)

例えば強度ある内壁の代表としてコンクリートが解りやすいですが、どんなに強固な物体でも大きな面になると音圧で太鼓のように動き、悪いことに強度があればあるほどその外側にある柱と共に動き共振エネルギーを増幅させ低い帯域で共振し整数倍で上の帯域までおよびます。もちろん音抜けや反射も最悪ですから最悪の3重苦の結果になります。
だからその壁振動を止めるために柱は強固に作るというのは理解しやすいですが、無駄に経費は掛かかるのとせっかくの内側面積と容積が狭くなりますね?

察しの早い方なら、6面の内壁を出来るだけ振動させなければ、また振動してもそのエネルギーを小さくさせれば良いというのが解ると思います?

どんな素材でも共振はしますが、共振しても影響のない帯域でしかもエネルギーが小さいものと考えると・・・数々の小さくない実験から現在のように薄く小さい面積素材(だからって余りにも強度がないバルサ材や紙ではありません)を離して造作と言うことになりました。
又離すということは共振の連鎖を切り共振エネルギーを小さくし、サウンド・ブリッジの共振をも解消させることになります。ただ躯体の柱は床基礎は別にして離すと建物自体が倒れてしまい不可能なので、出来る6面内壁全てと床下土台柱の縁を切り壁と天井は100mm幅間5.5mmの隙間を空け縁を切ってます。(10mmでもいいのだが壁裏構造が見えて目障り!前面にサランネット等でも貼れば解消するもコスト高

●音抜け

耳を通過した音を全て消すと無響室ですが、そんなあまりにも味っけない吸音ではなく位相的干渉を最小限にする消音的意味合です。
高域は反射率が大きく中低域から低域さらに重低域と透過率は大きくなり壁を抜けて消えていきます。

恵まれている全帯域つつぬけのような(中高域は適度に少し反射が理想)理想的野中の一軒家は別にして、それでは住宅街では苦情が来ますし外界の音も入ってきますので、内壁と外壁の間で出来るだけ消音させ内側空間に戻さない入れないというのが、音抜けと言う意味です。

ちなみに当方の部屋は壁内170mmに120mmグラスウールと50mm吸音材、床下600mmのベタ基礎部分に50mmの砂を敷き、床材下120mmグラスウールと50mm吸音材、天井裏600mmは450mmセルロース・ファイバーという音消し構造で副産物として夏は涼しく冬は暖かく快適です。深夜でも100db以上の音量出すことがありますが苦情が来たことはこの10年ありません。壁4面・天井の厚みが-26mmと床厚みが-55mm薄くなった現在も外への遮音性は劣ってません。(普段は耳の為にもSPL普通の60~80db程度です)

したがって6面の内壁自体が透過率が大きくて、なおかつ内部損失の大きい素材と言うと自然素材の無垢材という選択になりました。自然素材ではない合板は厚みの半分ほどは糊の樹脂なので音抜け的には邪魔もので、比べると判りますが更に使っている材の悪いところしか出てこないくらい音が悪い(鈍く暗い死んだ音)ので合板はダメですね。!! ツキ板も似たようなものです。
無垢材も高級になればなるほど固く透過率が小さく反射率が大きくなりますから、こと音抜け的には高い素材であればよいと言うものでもありません。

当方ではフロントとサイドは10mm厚幅100mmの杉と天井とリアは桐、床は15厚100mm幅メープルの音抜けを耳にじかに当てて試聴しながら決定しました。
壁・天井・リアの5.5mm隙間も音抜けに貢献させてます。

残響時間を空間面積と合わせ吸音率を計算する為に壁天井に大きな幅の穴をあける方法もあり、気にならない方も居られるでしょうが私的に反射と吸音の境目のギャップが大きく不自然なので、そのやり方はあえて取り入れませんでした。
 中高域少しの反射と中低域を自然に抜く考えから部屋全体で音を抜いてます。壁天井の5.5mm隙間スリットでの吸音率は5%程度ですが体感上は17%程の吸音率かと?
聴感体感上は気持ちよく適正に感じてますし、アナライザー測定でも0.5秒で適正かと思います。

●反射

これも当初の安くもない勧められたラトビアバーチ表面の毛羽たちが高域を吸音していることから始まり、これを解消すべくニスを最終的に床以外すべての面に塗ったものでした。

次にブロック3面積み上げましたが、ブロック表面の小さな穴が中高域を吸音してることから、穴塞ぎのペンキを塗り最終にはその上に漆喰まで塗って(土壁に本物漆喰は広い空間でしたら良いかもしれません)、この結果全面反射はよろしくないのと塗り物自体の反射音色が悪い事を身(耳)に染みて体験いたしました。

反射は1次反射部分でしかも少しの面積と反射率があればよいことは、10年以上のサーロジック・パネル使用経験から解ります。昔は30セット程あったサーロジック・パネルも今はバッソとリアに和心と60cmパネルの3セットの使用だけ!リアの吸音材が覗いている部分を閉じればこのリア部分のパネルもなくなるでしょうことから、音響アクセサリーが必要な部屋は何らかの大きな問題がある証明になりますね。(大体にして目障りで邪魔)

基本的に反射は
向かい合った面の反射が同等だとエコーが起こり進んできません。例えばフロントからリスニングポイントへ音を張りだしたければリアをフロントより弱く。奥行き感を上げたければ少しリアの一部分を強く。
床を強く天井が弱ければ音が上方まで上がり、壁も床より若干弱ければ広がります。
と、言った傾向ですから、音を前からリスポジへ・フロントから左右へ・下から上へを理想に床が一番強く二番目にフロントそして壁、天井とリアの反射は弱くを目安にしました。
注:強い弱いというのは表面的な硬さや密度・内部損失を含めた相対的なと言う意味で木材と金属や石また布ではあまりにも差が大きくバランス取りが難しくなります。

またフラッターエコーや定在波も反射から起こります。
フラッターエコーは平行面を無くせば済むことですが、部屋の壁や天井の面全体に角度をつけるより面の中で小刻みに角度を付けるほうが部屋の容積は増えます。
反射がある限り定在波は無くなりませんが同じく角度をつけ透過性のある素材を使えば弱めることは可能と思います。

フロントとサイド部分反射は樺材(バーチとも言う)を小面積に使用して丁度よい塩梅になっていますが、飽きてきたら変更は自己で簡単にできるように作ってあります。

とにかく私としてはオーディオで5年以上同じ音では、部屋・電源・機器でもなんでも飽きてきますし一発上がり完成は無いと言えるオーディオ部屋、いや!!むしろ絶対的完成はない部屋空間はいつでも簡単に変更できるように作っていて現在のところ部屋空間に気をそがれることなく、今まででの最高の自分好みの音と音楽を奏でています。

以上、オーディオ好きの独り言でした。

2018年1月1日月曜日

2018新年の計

昨日は、接点クリーニングしながら年を越しました(~_~;)

2017年は部屋のリニューアルを始めハイレゾ再生・SACDのAITDACからのダイレクト再生やグレードアップ・DAC DAVEとターンテーブルのAIR FORCEⅢの導入、年末にはカートをSPU SYNAGYに変更など盛りだくさんの内容とお陰様で目覚ましい成果を得ました。

以前は、
一に部屋。二に電源。三四が無くてシステムと単純に考えてましたが、これまでの経験からオーディオは全てのバランスが大切なのであって、部屋だけ・電源だけ・システムだけ一つだけ突出しても何も意味がありません。
改めて、
一に部屋。二に電源。三にシステムの三位一体です。

今年は10年経過し回路も足りなくタップや延長ケーブル等で継ぎ足し電源になり接点数も増えてしまった分電盤を音響盤に変えるべく、昨年よりN2ケーブルの根岸さんと打ち合わせをしているところでありますが、根岸さん本業の電気関係が忙しすぎて死にそうな声なんで工事予定にしている5月に来れるか、心配なところでもあります。

少しSPUの感想など

昨年のプラタナスの試聴後お返しして、悪くないと思っていたDL103Rに戻して聴くともう安っぽい音にしか感じられない!! お高いハイエンド製品が全て良いとは思いませんし、値段が10倍や100倍差があっても音的には少しの差で普及品価格の物でも音楽を楽しめますが、どうあがいてもこのほんの少しの差が絶対に埋まらないのは事実!!!

プラタナスは現代的な正確・端正・ワイドレンジで滑らかな音でどちらかと言うとデジタル的な音調。 こういう音は既にデジタルファイルで再生出来てますもので、求めるのは逆傾向の音なんです。

そこで決めたのがSPU。 決めると言っても普通カートリッジは試聴できないもの。
一発勝負なんですよね?
決めるにあったって、本当に悩みましたが1日で選んだのがSPUのSYNAGYでした。








結果は大正解で、ワイドレンジではないものの密度のある中低域と力強い低域そして高域も意外と古くない音で繊細で伸びがある音。
何と言っても、これぞアナログと言った豊潤さが得も言われぬ気持ちよさ( ^)o(^ )

40年代のモノ録音も古いクラシックもばっちり再生します。




この音でこのカートは気の毒なくらい安すぎ!! フラフラタイプのターンテーブルや敏感な最新アームには合わないでしょうが、お勧めです。