2011年7月24日日曜日

FM255とバッテリー・プリ

再生音の好みは人様々。機器についても一概に言えるものではありませんが組み合わせでオーディオは自分のお好みに音作り出来るのが醍醐味ですね。


部屋・電源・機器と単純に3つに分けてもひとつひとつは膨大な情報量で部屋ひとつとってもまず完璧な音は土台無理な話であります。

機器はそれぞれのマイナス要素を中和するようにうまく組み合わせバランスを取ることが出来れば最高とは言えなくとも、よりそれに近づける方法かと思います。



タイトルは比較試聴という感じがしますが、そんな大それたことではなく、あくまで個人的一介のオーディオファンとしての感想です。もともと両機ともお借りしているものであり、ただで長期間借りれるほうが良いからという姑息な計算はありません。
また、貴重なFM255とA-02を貸出頂いたキャビン大阪屋さんには聴き比べの機会を頂き、お礼申し上げます。



●SN

 使ったパワーアンプはエソテリックA-02このアンプ、ゲインが低いです。そのせいかノイズは全く聞こえません。

 ○FM255

  回路は半田や配線を全く使わないモジュール式で電源は一体型、電源ケーブルも接点を減らすためか一体になっております。インレットは前オーナーが改造したのか、ナショナル製のホスピタルグレードがついており、見たところアースも接続されています。

  アースは筺体に接続されているとのことですが、回路自体からは浮かせているよう。

  説明書では最高水準の完璧なノイズ対策を取られているとのこと。

  ツィターから「シー」と地味で、かすかなノイズあり。



  ○バッテリー・プリ

  全くノイズ無し。



 ●高域


  ○FM255

  8khzをイコライズしているかのような強力さ。だが不思議にうるさくないのはトランジェントが素晴らしい。
○バッテリー・プリ

 強調することなく自然。

●低域


  ○FM255

  力強いがどちらかと言うとタイト系。

○バッテリー・プリ

 力強く押し出し感あり。



●中域(声)


○FM255

  さ行に爽快感ありクールな印象。

○バッテリー・プリ

 肉感的暖かい



まとめますと、

FM255はハイエンドらしい怖いくらい圧倒的な情報量と解像度の先鋭的な音で逆ピラミッド型。

バッテリー・プリは透明感がある力強いピラミッド型。

使ったパワーも逆ピラミッド型の高域が強く出るタイプですので、FM255はそれをより強調した音調になったようですが、好みとしてはバッテリープリを選びます。



またプリとパワーどちらがより重要か?という件につきましては、包み込まれるように感じる音についてはパワー。

分析的に耳で聴く音にはプリでしょうかね。どちらも重要ですが要はバランスですね。

8月4日追記:部品交換直後のFM255でしたが、2週間経過し馴染んでくると、棘棘しさ取れ染みわたる高域と驚くような解像度の低域になってきました。やはり名実ともにハイエンドですね~。ヴィオラと組んだら超絶でしょう。買えませんけど。

2011年7月23日土曜日

バッテリー・プリ 帰りました。

ノイズ騒動で点検していただいたバッテリープリが帰ってきました。お帰りなさい(笑)。
以前から気になっていた、バッテリー交換時の上蓋開け・・・ひっくり返さないと蓋が開かないのと内部基盤に何か落としたり、触ったりして不調の原因ともなりかねない。

頼んだわけでもないのですが、DCアンプマニアさんが電源バッテリーを外付けまでしてくださいまして、そんな心配もなくなりました。
重ね重ねありがとうございます。
キャノンコネクタで取り外し可能
外付けバッテリーボックス

電源別になったバッテリーDCプリ















これから、FM255との聴き比べですよ。お楽しみに・・・。

FMアコースティック FM255 試聴感想

高いですね~。何がってお値段。 なんでこんなに高いの?って調べると、スイスの物価自体が世界一で人件費なんかも世界一。マックで働いて時給2000円、小学校教諭の初任給が30万円って日本の2倍から2.5倍です。


スイス製オーディオメーカーを上げるとスチュダー・トーレンス・ゴールドムンド・ダールジール・ナグラ・ソウリューションetc 名だたる高級オーディオメーカーですね。やはりどれも半端なくお高い!

FMアコースティックのこのプリアンプFM255も毎年価格が20~30万円上がって2007年当時で315万円、現在の製品はバージョンがマークⅡになって450万オーバーですから恐れ入ります。物価や人件費の指数を含めた為替の変動を見ても高すぎ! おまけに現在の製品は半田も配線も使わないモジュール式になっているので、時間は短縮できるが部品代が高い!最近は安くなってきているそうですが、貸出頂いたこのFM255もボリューム交換と左右アウトプット・モジュールの交換だけで30万円オーバーということ。


で、音はさすがにハイエンドってな音です。

同じような傾向のエソテリックA-02との組み合わせですが、

透明感よりも浸透力があって、強力な中高域。キン!・コン!・カン!・バシャッーン!・シャッキーン!と耳から血が出そうなくらい強力ですからシンバル好きにはたまらないでしょう。

ヴァーカルもさ行が強く、爽快感抜群な音でこれだけ強力な中高域にも関わらず、うるさくないというのも不思議。トランジェントが良い即ち音の立ち上がりと立下りが早いんですね。

プリ・パワー間が200m(現在のマークⅡは1000m)あっても影響を受けないというくらいメーカーがいうくらい送り出し能力も高いそうで、確かにACプリよりは強い。



シンフォニーと合わせたらいいかもしれませんが、高すぎて私には買えませんので聴かないほうが良いでしょう。

2011年7月22日金曜日

エソテリック A-02 試聴感想

代替機としてお借りしました、エソテリックA-02ですが、ヴィオラ・シンフォニーとの比較では相手になりませんので、あくまで個人的中立的な感想です。



【プロスタジオ・エンジニアとのコラボレーションの中から、よりオリジナルマスター再生に相応しいサウンドクオリティー、また音楽制作現場において必要とされるスピーカー駆動力をさらに高める工夫を取り入れ、ブラッシュアップされたステレオパワーアンプです。】と,メーカーHPより

実際人気が高く売れているそうです。

綺麗・端正・正確な高域で、ヴォーカル帯域はにごりがなくハッキリしていて、低域は力強いと言うより、スッキリタイト。アキュのA-65に似ているがそれよりクセがなく全体にニュートラルに感じる。

分析的に聴かれる日本人好みの音でしょうか。



シンフォニーちゃん、早く帰ってきて~!

2011年7月21日木曜日

ノイズ・バスター その2

さて、ノイズ除霊の続きです。
SPツィーターからの左右アンバランスなジ・ジ・ジなノイズはどこから来ているのか?
自分としては、アンプであって欲しい! と言うのも変ですが、アンプはまだまだ保障期間中なもので・・・あらゆる考えつく方法でチェックした自分の見立てとしても、どうもアンプが臭い!!!

本日、キャビン大阪屋さんからアンプのチェックと、アンプが不都合の場合の代替機のアンプそれと、以前パワーアンプとプリアンプどちらが音に対する影響が大きいかと言うお話を致しまして、それを覚えていてくれた担当の方、この際にとハイエンド・プリを貸し出しいただきました。

代替パワーアンプがエソテリックA-02(定価126万)。
プリアンプがFMアコースティックのFM255という機種で定価は2005年当時でなんと315万円という、ハイエンド機。 ヴィオラは輸送だけでも、おそらく一週間以上はかかる模様なのでたっぷり試聴期間があります。エソテリック・パワーとFMアコースティック・プリの感想は後程。

前置きが長くなりましたが、パワーアンプを付け替えて結果は一聴瞭然!!!エソテリックではノイズゼロ。 やっぱり!良かった!と言うのも変ですが、正直ホッ!と致しました。

2011年7月19日火曜日

ビオラ・シンフォニー点検

スピーカー・ツィターからのノイズが気になる。
気にしなければそれまでの話ですが、このまま聴いていても良いことはありませんし、機器が益々悪化するかもしれない。

パワーアンプかケーブルかスピーカーのどれかかもしれないし、複合しているかもしれない。

端子・ターミナルを磨きケーブルの左右を変えたり、ケーブルそのものを変えたり、スピーカーまでも変えてチェックしましたが、どうもアンプらしい。まだ新品から半年も経っていないものですが、メーカーに点検の為出します。その際ありがたいことに求めたショップの大阪屋さんから代替機のアンプを貸してくれるそう。
アンプが原因でなければスピーカーですが、これはチョッと厄介です。

根岸さんの見解は、スピーカーユニットというよりネットワークかネットワーク周辺


のハーネスの取り回しが怪しいかもです。

例えばツィーターからのハーネスがネットワークのコイルの直近を通っ

てしまっているだけでもノイズという形で現れる事がありますし、ウー

ファーのハーネスと絡んでいるなどしても同様の症状が出る事がありま

す。

この状態で音楽信号が流れると、コイルまたはウーファーのハーネスか

らの誘導を受けてツィーターからの音が歪む。
 
との事。
 
私の願いはアンプが原因であることを望む(保障期間中なので)。
アンプが原因ならば、21日昼に来る代替機の段階でハッキリわかるでしょう。(代替機がまともであれば)
 

ノイズバスター

各機器のアース
を割り振る

昨日のノイズの原因を探る為の作業は大変でした。
これは自分の適当な性格からです。
本来でしたら始めから機器ごとに使っているブレーカーやアースを
振り分けて把握しているべきですが、それがキチンとしてないから
まずは各機器ごとに、一つづつ確認しながら機器名のマーキングしてからの作業。




プリとパワーのアース
を接続


テストする機器ごとにアースやケーブルをつけたり外したりと、まるでノイズバスター。
根岸さんがいうには、アースは「魔物」ノイズは「悪霊」だそうで、原因を解明してこれを退治するさまは、「除霊」と言うくらい厄介なものだそう。




子ブレーカー・ケーブルにもマーキング。

使用機器名を割り振った
子ブレーカー











使用機器名を割り振った
ケーブル




元に戻したアース

アースを元に戻すのがまた大変!線の数が多いので纏めて締めるのに一苦労。








TIGLON マグネシウム・
シールド・ケーブル


スピーカ・ツィーターのノイズが気になるので、ケーブルを変えてみるが、ノイズの変化はなし。
しばらくこのSPケーブルで聴いていたが、楽しくない。
 
シールドはアルミではなく、マグネシウムなので導電性はないが、良いのかどうか?


マグネシウム・シールド


やはり元の逸品館式ケーブルが良いので、戻してしまう。このケーブル先のケーブルにアンプ側とSP側に50cmづつAETのSCRというケーブルを足したもの。
もっともコスト的にはペアで15万かかっていますから、普通にこの値段でSPケーブル買ったほうが良いでしょうね。(改造マニアですので、試したくなる悪癖)

2011年7月18日月曜日

アナログ異音の原因究明


テスター

ブーン・バリバリの大音量異音の原因は何なのか?

バッテリープリは作者のDCアンプマニアさんへ点検の為、送り見ていただきましたが若干オフセットは出ているが、プリには異音発生原因は無しで調整後送っていただけるとの事。 現在ACプリで聴いていてこれはこれで良いのですが、バッテリープリを聴いてしまうと物足りなくて、早く帰ってきて欲しいものです。
N2ケーブルの根岸さんにも、ケーブルが原因かと問い合わせいたしまして、懇切丁寧な確認方法を教えていただきましたので、早速テスター(2980円)を買い求め実践いたしました。

ブーン・バリバリ音の現象がでた当時のバッテリープリは問題なしとなると、後は残された機器・ケーブルそしてアースに問題が、となる訳でして

根岸さん曰く「アースは魔物」とのこと。以下根岸さん談。
【アースがどこでどう回り込んで悪戯をするか、どこでどう中和されるかなど機器の設計なども絡んできますので、殆ど予測はできません。その為当方ではノイズが発生したらまずアースを切り離をお勧めしているのですが、今回のノイズがハム音とバリバリ音なのが引っかかります。
アースループやその他のアースを起因としたノイズの場合、多くは「ピー」や「ジー」「サー」といった比較的地味な音です。またフォノ系の回路はハムが乗りやすいのですが、これはフォノ系機器のシャーシをアースに接続することでほぼ回避できます。】

と言うことで、根岸さんお勧めのチェック方法を教わりました。

A)まずは以前問題なく使っていたベルデン製ケーブルの導通を調べる。
 導通が無ければ、アースが絡んだノイズと言うことでほぼ断定。

 導通があれば、少なくともインターコネクトケーブルは無関係と言うことになります。

 結果:導通アリなのでインターコネクトは関係ありません。

1)全ての機器から全てのケーブル類を外す
 電源・インターコネクト・スピーカーケーブル

2)スピーカーとパワーアンプを接続(スピーカーケーブル)
 ここでノイズが出るならパワーアンプまたはパワーアンプに接続されたアースが臭い。

 結果:ノイズと言うより歪みと思われますが、ツィターに耳をつけるように聴くと「ジー」とかすかに聴 こえる(左が僅かに大きい)が、アースを外しても変化なし。

3)パワーアンプとプリを接続(インターコネクトのみ)
 ここでノイズが出ればパワー・プリ間のインターコネクトそのものがノイズを受けている。

結果:2)と変わらず。

4)プリの電源を入れる(アースを切り離せるなら切り離す)
 ・ここでノイズが出るならプリ本体の金属部分にてを触れてみる。
 ・手を触れてノイズが変化するならアースを接続してみる。
 ・アースを接続してノイズが消えるなら、プリ本体から発生するノイズの可能性が高くなります。

結果:アースを切り離したらノイズが大きくなる。
    プリ本体の金属部分に触れても変化なし。
    アースを接続しても変化なし。
    ちなみに音量を上げても変化なし。

と言うような結果から、アース・ケーブル・機器いずれも問題なしです。
原因は、アナログプレーヤーからのアースを使用しているバッテリープリに繋がず、ACアンプに繋いでいたのが問題と思われます。(要するに私の初歩的ミス!)
おそらくCDプレーヤを修理に出した為バッテリープリとの接続が無くなり、アースが宙に浮いた常態でシールドからのノイズがパワーの有り余るアンプによって増幅され、盛大なハムとバリバリ音になったのでしょう。 一歩間違えればアンプもスピーカーも全てあの世行きなりかねない事態でした。全く私のような素人には高級高額な機器は難しく勿体無い話の典型のお話でした。

CDP修理完了

SACD読まず。
トレーすぐ戻る。
の、CDプレーヤー不調の原因は、CDメカの汚れが原因ということで、CDメカパーツ付け替え及び内部クリーニングを2日で完了いたしました。(早いですね!)
交換したユニットもらいましたが、見てもさっぱり解りませんし、どこが汚れているの?てな感じ。
早速、音だし。
SACD、問題なし。
CDも当然問題なしですが、なにか落ち着いた感じになりました。
たまに左右のバランスが悪く感じたのも、メディアの読み込み不良が原因だったんですね。

2011年7月15日金曜日

CDP故障、続いてアナログ

4年半使用のデノンSA-1というCDPがSACDの読み込みが悪く音飛びするようになってから、トレイのイジェクト時開いても勝手に閉まってしまう状態で2カ月ほどそのまま聴いていたのですが、さらにディスプレイの表示しなくなったので、デノンサービスセンターへ修理持ち込みと相成りました。


2日後サービスセンターより連絡ありまして、読み取り不具合の件は経年使用によるレーザー及びピックアップ部の汚れということ。

イジェクトの件は、メカニカル部分の接触不良のよるもので、両方とも新品部品交換になりました。

ディスプレイ非表示の件は、私のリモコンの操作ボタンの押し間違いでした。(間抜けですね)

修理金額は18000円ということで(思ったより安くて良かった!)、早速本日夕方引き取りに参ります。



それよりもCDが聴けなくなったので、昨日アナログを聴こうとした途端、盛大なハム音とバリバリな雑音の異音発生。ミューティングスイッチをすぐに切ったもののあまりにも大音量だったので、思わずパワーアンプとスピーカー逝かれちゃったかなと思うくらいで、しばらく放心状態。

気を取り直して下流のSP・アンプから目視と触覚・嗅覚で異常がないか点検、異臭はない。アナログプレーヤーのピックアップと配線を目視でチェック。特に異常は見当たらない。

バッテリー・プリからACプリに接続し直し、恐る恐る音を出す・・・聴こえた!

良かった!! アンプとSPに大事は無いかな?・・・でも左SPのツィーターが少し歪んだ模様。ショーック!!! そのうちユニット交換かな? でも電源工事終わるまで予算の都合があるので、このまま気にしないように聴くことにしますわ。(しょぼ~ん)



原因は何なのかなぁ?前日までなんの不都合もなく聴けていたアナログでしたので・・・

A) プリ内のフォノイコライザー部分の不具合か。

作者のDCアンプマニアに連絡し見てもらうことにしまして、すぐに送りました。

B)もしバッテリープリに問題が無ければアースの問題かな?

  というのは、このプリはバッテリー駆動なので電源インレットのアースが繋がっていないのと、プリ・パワー間のケーブルシールドが上流のプリにアースされているので、アースがとれていたCDPとプリの接続ケーブルがなくなったことでアースがとれなくなったからかな? (今、繋いでいるACプリはアースされている) う~ん。解からん。

とにかく、まずはDCアンプマニアさんのプリ内部の点検後の連絡待ちです。

2011年7月10日日曜日

電源再構築編 10

左アフター・右ビフォー
ニッケルメッキ端子を磨きました。
始めはSP端子を磨き、一皮向けた音になり、分電盤内メインブレーカー2次側端子を磨いて奥ゆき方向のベールが剥がれ、調子に乗り小ブレーカー端子と磨き、中高域が目の覚めるような音になりました。
磨き道具は、磨いた順番にダイヤモンド・シャープナー400番と1000番・ネイル用やすり・800番紙やすりと1500番紙やすりです。

分電盤は作ってから3年経過してますが、子ブレーカー2次側の端子がメッキがブツブツと剥がれかかった様に劣化しています。特にパワーアンプとサブ・ウーファーに使用のものが激しい。
左から、1500番・800番・ネイルやすり・ダイヤモンドシャープナー



アフター
 
ビフォー
目が覚めたような音になったのはこの子ブレーカー2次側の劣化を磨いたのが大きいのでしょうね。いきなりではなく少しづつ劣化しますから、気がつかない内に音もなまっていたのでしょう。
メンテナンスは必要です。



2011年7月9日土曜日

電源再構築編 9

電圧降下とは?


ピンと来ない簡単な説明では、電流を通した際に電気抵抗の両端に生じる電位差。

オーディオ的には各機器にコンデンサで電気を蓄えてあるとは言うものの電圧降下が起きると音が揺らいで良くはないです。(揺らぎも音の内というのもありますが)

圧力(電圧)をかけて電流を流そうとしますと、電線や導体の電気抵抗によって遠く離れるほど電流を更に先に流そうとする圧力(電圧)が減っていって最後には圧力がゼロになって、電流はその先に流れなくなります。

もし電流を流す経路にまったく抵抗がない超伝導と呼ばれる物体の中であれば永久に電圧は減らず、電流は流れることになりますが、現実には超低音にでもしないかぎり必ず電気抵抗による電圧減衰、電圧降下は起きることになります。

送電線が6600Vと高圧電流なわけは、できるだけ電圧を高くして電圧降下を極力小さく抑えているという訳です。

電力会社管轄範囲の電圧降下は、どの建物もあらかじめ正常な電圧降下を見込んで配線をしているので、正常であれば普通家庭用としは問題ないレベルになっていますが、同じ送電範囲に電力を大量に使う施設等があればその施設の稼働時間によっては左右されるでしょう。

電圧を測る機器は、簡単なものならホームセンターでも売っていますし、電気工事士でしたら皆さん持っているようですので、意外と手軽に測れる見たいですよ。

現実に建物の交流電源で電圧降下がおきて実害がでている場合は、電力施設からの電圧、変圧器の異常などが原因である場合もありますが、むしろたいていは、宅内の電気プラグやコンセントなどが劣化したために、電気製品に到達するまで、当初想定していた以上の電気抵抗が発生してしまっている場合が多いのが実情の様。


電源コンセント、電源プラグ、ACインレットが古く、あるいは接点に異常に熱を帯びたりしていないか、チェックしたり、新しいものに交換してみるだけで改善されるケースも多いでしょう。

2011年7月6日水曜日

電源再構築編 8

前回は何々「みたい」・「だそう」が多くて何やら訳が判らん内容でしたが、安全確保が出来ていればオーケーの一般電気配線とは大違いのオーディオ電源や配線で何がベストが調べていくと知識の無い私としてはこうなってしまうのでした。そのうち理解出来てまとまるのでは?と淡い期待を込めて、まだ続きます。

●シールドって何?


オーディオ接続に使用するケーブルでも「シールドケーブル」ではない物もありますね

「シールドケーブル」 とは 信号線の周囲を遮へい用の導体で覆ってある電線です。

シールドケーブルの利点とは、「信号にノイズが乗りにくい」ですね。

身の回りのには蛍光灯・テレビ・エアコンなど電磁波を発するものが多くあり、(木造床なんかもケーブル先が接触すると)これが音楽の信号に混ざると「ジー」「ブーン」といった不快な音が発生します。

それで信号線の周りを導体で覆ってノイズの混入を防ぐことを「シールドする」と言います。

ですからシールドケーブルとは「信号線の周囲を遮へい用の導体で覆ってある電線」の事で、

この電磁波等、音楽信号以外の電気信号の事をノイズと言います。またノイズが音楽の信号に混ざって不快な音が出ている状態を「ノイズが乗っている」などと言います。

しかし周りを覆っている導体はアースに接続されていないと、ノイズは地面に落ちませんので、アンプからの出音にノイズが増えます。

また、実際はシールドしても100%ノイズを遮へいする事はできず、多少は覆っている導体をノイズが通り抜けて信号線に混ざってしまいます。この漏れノイズの大小がシールドケーブルの品質を判断する一つの要素と言われます。この周囲の導体は細い電線を編みこんである物や、アルミ箔で覆ってある物など色々な種類があります。一般に高価なケーブルほど導体がガッチリと信号線を覆っている様です。安物のケーブルは覆っている導体がスカスカです。

しかも「シールドケーブルを使わなければノイズが乗ってしまう機器」と「シールドケーブルを使わなくてもノイズの問題が無い機器」が有るのです。


ちょっとややこしいですが音声信号を正しく伝送するためには、「インピーダンス」というものを理解する必要があります。

これが分からないと機器毎にどのケーブルを使って良いのか判断できません。

「ハイインピーダンス」「ローインピーダンス」「インピーダンスマッチング」など、「インピーダンス」という単語は雑誌に頻繁に出てくるので、聞いた事があるという方が多いのではないでしょうか? でも私の頭では、実際問題としてインピーダンスの概念を理解するのは難しく、抵抗といっしょだろう?と思っていましたが似て非なるもの見たいです。

それでも無理矢理一言で言い表すと....

インピーダンス = 電気の流れにくさ

でしょうか。厳密に言えば「電流の流れにくさ」です。

ですから、

 ・ハイインピーダンス(インピーダンスが高い)=電気が流れにくい

 ・ローインピーダンス(インピーダンスが低い)=電気が流れやすい、という事なのですね。

インピーダンスを表す単位には、Ω(オーム)を使います。このオーム数が大きいほど電気が流れにくい回路となります。


では、接続にシールドケーブルを使わなくとも良い機器はどんなものでしょうか?

それは、「出力インピーダンスが低く、回路に電気が多く流れる機器」です。

では何故、出力インピーダンスが低ければシールドしなくとも良いのでしょうか?

たとえば、大量の水の中に少しくらい砂利が混じっても水がにごらないように、大量の電気の中に少しくらいノイズが混入しても影響がないんですね! ということは、「パワーアンプとスピーカーの接続」がこの接続。

以上の理由で、出力インピーダンスが低く、回路に電気が多く流れる機器にはシールドケーブルは必要ないみたいです。加えて言えば、シールドは複雑な構造の為どうしても1本ごとの電線径が細く大きな電気に耐えられないので、ローインピーダンスで電気が大量に流れる回路にシールドケーブルを使った場合、電線の容量が足りずに発熱(=振動)する場合があるので、むしろ使ってはならないみたいですね。

2011年7月4日月曜日

電源再構築編 7

一般のオーディオファンにとってのリファレンスとは何か・・・・私は部屋だと思います。


オーディオとは、どんなにテクノロジーが進歩しても、所詮スピーカーによって発せられた空気の振動を全身で感じる物です。寿命的に考えると建物も風雨にさらされる外側10年程度・機器も可動部分の多いプレーヤー等は5年程度、アンプ等はコンデンサ抜け等で10年程(数カ月も使わないとさらに抜ける)・屋内配線で20年、風雨に晒される裸の電力線は10年程度とメンテナンスや交換等考えると、どれもとても一生ものではありませんが中でも建物は安定的も含めてです。

さて次に大事なのは何か?・・・・電気だと私は思います。

当たり前ですがこれが無いと、どんなに素晴らしい部屋と機器がそろっていても音は出ませんし、エネルギー源ですね。機器の電気回路には真剣でも、電気というところが意外とお座なりにされているマニアの多いこと。信号の通り道であるSPケーブル・インターコネクト・電源ケーブル等は最近見直されて、あれこれ試されているマニアの方も多くなって来たように思いますが、これすらもどうでもいい!そんなもので音が変わるのは間違い!とおっしゃる方もいます。でも良く考えてみてください音が変わるのではなく、機器や部屋が持っている能力を本来に戻すと言うより、殺がれている電気的マイナスを減らして見たらどうかな? それでも大したことはないとお思う方は現状環境で存分にお楽しみ下さいませ。さらに良い音・音楽を求め私はチャレンジあるのみです。

でも、オーディオにとって最良の電気とは・・・素材や構造だけでも調べれば調べるほど難しすぎる。

インタコネクトケーブルひとつとってもどのケーブルが自分好みの音を演出してくれるかを前もって見分ける方法は、結論として皆無です。しかもこの下流部分だけ変えても仕方が無いですが、とりあえずとっつきやすくやりやすいということで、思いつくまままに・・・えい!やっ!



●電気抵抗は少ないほうがいい?
単純にいえば、同じケーブルを並列で使えば抵抗値は1/2になります。ただし、心線同士の接触面や接続端子との接点などでも抵抗が生じますから、実際には計算通りにはならないでしょう。
ちなみに、スピーカーケーブルを流れる信号の周波数は、商用電源の周波数(50Hzまたは60Hz)に比べて遥かに広い帯域に渡りますから、単純に直流抵抗を減らせば良いという話ではなく、インピーダンスが安定的に低いことが要求されます。その意味からも、単にたくさん繋げりゃいいなどという話では済まないそう。


●ケーブルの基本は電気抵抗が少ない様にする事かな?
確かにその通りみたいですが、電気抵抗が小さいだけが能ではないみたい。インダクタンスやリアクタンス、被服の固さや素材、取り回し(まっすぐか途中でとぐろを巻いているか等)など、様々な要因で音が変わるそう。

●どのようなケーブルがいい?
作るのでしたら安い物では、1mあたり10円程度からあります。
手に入るものは何でも試すと、電力線だけでなく、アンテナ線、エナメル被覆線、宝飾用の銀線なども、絶縁さえシッカリとしておけば使えるそう。


●より線と単線とは?

・単線だと被覆を剥くのが簡単なので、電気工事が楽。極端な話、カッターのようなもので鉛筆を削るようにするだけで被覆が剥けます。

・単線は実質的に針金と同じなので硬いですが、より線は柔らかいので、可動部分の配線などがやりやすいですし、何度も曲げたり伸ばしたりするような用途でも耐久性が高い。

・より線はどうしても素線と素線の間に隙間ができますので、ケーブル全体の直径が同じなら、導体部分の実際の断面積は少なくなります(=電気抵抗が大きくなる)。

そのため、直流あるいは低い周波数で使う場合なら、単線の方が減衰が小さいと言われる。

・電気信号の周波数が高くなってくると、表皮効果という現象が起きて、導体の表面にしか電流が流れない。

そのため単線だと線の中央部分が空洞になっているのと同じことになり、実効的な電気抵抗が大きくなり、減衰が増大。

そういう場合、1本の太い電線を使っても意味は無く、細い線をたくさん束ねたより線の方が効率が良くなる。

・単線は1本の太い銅線で構成され、ヨリ線に比べてノイズを受けにくく、 硬いケーブルになっている。 長距離(20m以上)で使用される場合は単線がお勧めだそう。

・ヨリ線は本数の多い細い銅線で構成され、単線に比べて配線の取り回しがしやすいように、
柔らかいケーブルになっている。長くなるだけノイズを受けやすくなるので、
短距離(20m未満)で、ケーブルを折り曲げて敷設される場合にお勧めだそう。

より線は、一般に、コンマ数mmの細い線を束ね合わせ、軽く捩って1本として扱います。単線の電力線は曲げ延ばしが困難ですが、壁内配線などは、普通、単線が用いられます。より線は曲げ延ばしが容易なので、延長コードなどに用いられます。

音質面で、単線が良いかより線が良いかは一概には言えません。スピーカーケーブルとして売られているものでは、取り回しの関係もあってか、より線の方が多いように思います。いずれのタイプも使った人が言うには、単線かより線かでカテゴライズできる違いはないように感じたそう(良い単線もあれば悪い単線もあり、より線も然り)。

●素材はなにがいい?

素材で音が変わるのは間違いないです。が、なぜ変わるかは不明だそう。

高級ケーブルは無酸素銅といって銅の中に不純物(酸素)がない材質のものを使っている物が多いですが、オーディオ(アナログ)で使う周波数帯域はごく普通の銅線(4N以下)でも十分なはずです。(オカルト的ケーブルが最近は多すぎ)
逆に、6Nや7N(最近では8N等ありますが)では音質が硬質になり中低域から下が出にくい傾向が多いようです。また高域も綺麗に伸びず詰まった感じにさえなることも(表現によっては中高域が出すぎるともいえます)。それを解像度が良くなったとか音がハッキリして良いなどと表現する評論家もたくさんいるようです。

ケーブルの性能が向上して中高音域がクリヤーになったために中音域や低音域が相対的に音量不足と感じているのかな?。いずれにせよ、音の鮮度が上がったことで相対的に音の「線が細くなった」ように聞こえているのでしょう。
また、ケーブルで音の「線を太くする」のは結構大変だそう。
ケーブルは普通「銅 」線ですがある程度の値段までは、値段をあげる程「銅」の純度が高くなり伝導率が良くなるので、いわゆるHi-Fi調になります。
聴感上では、音の濁りがとれてキレイになる一方相対的にはその音を華奢に感じることもある筈ですね。

●編みこみ構造って?

ツイストペア(対撚)とは2本を1組として拠りあわせた物で、主にノイズ(電磁波)の対策として使用されるそうで、色々な編みこみがありますね。

互い違いに編み込む三つ編みや四つ編み以上の編み込みかたもあります。市販のケーブルでも、三つ編み・四つ編み・八つ編みなどがあります。ただし、編みさえすれば良いというものではなく、様々な要素のバランスが重要だそう。

まだまだ、続くかも・・・。

2011年7月3日日曜日

電源再構築編 6

N2ケーブルのインターコネクトのエージングも100時間過ぎて、まだ少し変化はあるでしょうが感想を・・・
始めの高域が伸びた印象も落ち着き全体にバランスがとれてきた様子です。 何気に色々なジャンルのCDやレコードを聴いていると時にハッとさせられる音に気づかされる感じと申しましょうか。
劇的にと言うよりもマイナス要素を少なくしている・・・機器からの信号情報の漏れが少なくなった様な印象のケーブルです。(機器からの情報が少ないのは言わずもがな)
価格はペアでm12000円程(以前有名メーカーから提携を申し込まれた時の売価設定はこの約10倍・・・お断りしたそう)、しっかり丁寧でシールドもきちんとアースされており他メーカーのものと比べ作り・品質・音どこから見ても良心的な製品です。

音の表現の下手な私より実際にベーシックタイプ電源ケーブルお使いのお客様の判りやすい例を下記に貼り付けました。

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以前には電源タッブ、電源ケ-ブルを製作、送付頂きありがとうござい

ました。

本日、いつもより時間をかけてオ-ディオを楽しむ時間をもてました。

時間と共に、アンプ、そして聞く側の人間の耳も変化するものです。

長く聴いているとアラ等も見えてきます。音楽を聴いているのか、音

を確認しているのかわかくなるのが悪い癖です。

本日、不満が見えた部分を変化させるため、ケ-ブル等を替えながら、

色々なジャンルを聴いていたのですが、あらためて御社のZAC1が、私

の中でアンプにあてがう電源ケ-ブルの最後の砦であることを再認識し

ました。

音が素直といえばそれまでですが、力強い素直さです。音に濁りや遅

延がなく、明瞭で勢いがあります。ロスを感じません。

かと言ってメッキや銀のようなキツサや刺々しさも一切なく、綺麗な

水が整列し、ある形をなして、いっさいの乱れなく、完全放出される

ようなイメージです。

低域の抜けと解像度が、中高域の出方とのバランスが抜群です。ピラ

ミッド形ともフラット形とも違う、必要とする帯域がその時々で最適

化されている感覚に襲われます。

本日長い時間、ケ-ブル比較しなが聴いていたのでよく分かりました。

他ケ-ブルだとたとえ数万クラスだろうが、一気にバランスを崩すもの

も多数あり、あらためてZAC1の音の良さであり、コストパフォーマン

スの高さに感心したところです。

ありがとうございます。

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根岸さんの言いたい所を、感覚的に判りやすい言葉で表現してくださ
っているとのことです。

濁りと遅延の無い、スピード感を伴った上流ケーブルの低域がどのように作用するのか私も興味津々です。

2011年7月1日金曜日

電源再構築編 5

メインブレーカー2次側の極性を揃えた

アース配線(アースバー無し)
子ブレーカー達と配線
引き込み側と送り出し側電力線
分電盤内部を再掲します。以前と変っているのは極性をそろえたところ、これは自分でやりました。根岸さんの評価は正解でした。 が、後は全てペケだそうです(やはり!しょぼん)。
普通の分電盤から比べれば恵まれているそうですが、オーディオ的に判りやすく点数をつけると100点満点中50点といったところ・・・特に良くないのはケーブル類。全て低域がなまる方向で弾まないケーブルだそうです。 これも普通の電気屋さんが工事するとこうなるそうでした。ハハ!

N2ケーブルの根岸さんの本業は根岸通信という弱電関係の電気屋さんです。親子代々の電気屋さんでお父様は無線が趣味でアンプ作りなどもなさっていて、そのようなお父様の背中と作業を小さいころから見て育った方で、ご自身も無線から始まったオーディオマニアでワディアやクレル等使いのハイエンド派。オーディオ的電気知識は並みではありません。オーディオ的見地からの話では、同じお仲間の電気屋さんとでも知識が違い会話が成り立たないそうです。
そんな趣味から作った電源ケーブルがスタジオ関係者に受けたのが始まりで現在にいたり、今では本業が終わった後睡眠を削りながらケーブルを作っている忙しい方で、1日10本程度のたばこは吸う喫煙者ですが、アルコールは飲まずその他の趣味はハーレー・ダビッドソンだそうです。
分電盤全景

で、次の工事は引き込み開閉器2次側電力線をKIVという線にシールドをしアースに流し分電盤以下配線と端子を全て交換という2名で約2日懸かりの計画で、基盤とブレーカー等は見積もりを拝見してから決めたいと考えています。電力線等の交換で現状50点から80点にはレベルアップが見込まれるそうで、ひょっとした大化けする知れないとのこと・・・楽しみです。