2015年6月28日日曜日

フロート壁のインプレッション 総括。

出来てから3日間集中して聴き続けた後、達成感と期待からのブラシーボ効果を排除する為に7日間を空け、アンプ類も1週間以上電源入らず状態だったのでコンデションも十分にした、フロート壁完成から10日後の再試聴の感想です。
まずは目的であった以下の4点

① 強くない柱に強固な3重張りの壁による共振弊害の排除。
② 中低域の抜け改善。
③ 包み込まれる後方からの中高域反射。
④ サーロジック・パネルを外せば唯一残っているフロント・リア間のフラッターエコー解消。
                 は、オールクリア!!
                                             
③の中高域反射は強すぎるかも? ②の中低域の特に低域の抜けと切れはこのままではどうかな? の工事前予想は、中高域が強すぎれば上方をカーテンで吸音・低域の抜けが足りなければ隙間にフェルト等を詰め調整しようかと考えていましたが、そんな必要性はなく危惧に終わりました。
完成直後ブログでは上記目的を
①柱・床・天井に伝わる音のブリッジを排除する縁切りと、
②透過損失を大きくして低い帯域の中低域を抜くが、
③高い帯域の中高域は反射させ
④フラッターも出さないで、
          
はクリアと、同じことを少し変え書いていますがそれから10日経過後の現在の感想も変わりないことから、ブラシーボ当事者の自分でも第一感で殆ど間違いないでしょう。
◎具体的にどのように聴こえるか?(何か改造するたびに同じことを書いているように思われるでしょうが、それらのレベルが更に上がったと感じ取っていただければ幸いです)
① 共振の排除について
未だ数パーセント露出している3重張壁はあるものの、
音を濁す共振が大低減したので、今までぼけていた小さな音粒の後の重なりまで見えるようにクリアになり情報量が多くなったにも拘わらず、透明感が増し今まで聴こえなかった細かい音や感情の起伏のニュアンス・消え入り際の余韻が小音量でも聴きとれるようになりました。
強固な3重張壁は手で触れたり、耳をピッタリつけても中高域は全くと言って良いくらい聞こえませんが低域の振動は大きくかなりします(コインシデンス効果)し、面積の大きい強い一枚壁は共振エネルギーも大きくなり共振のうねりも発生するでしょう。
今回のラワン合板は耳を当てると確かに全帯域が聴こえますし振動してますがエネルギーが小さいので、耳を板壁から離すと全く感じません。
主に横45cm×縦60cm角が多い12mm厚ラワン合板ですが、サイド壁は40cmや20cm幅・上端は縦長さも短いものもあり一様ではありませんし、各パネル状の固有振動数も一様ではありませんので共振音もしません。
音のブリッジ現象では、数年前にバイオリンの魂柱のような共鳴作用をおこす壁の梁は撤去・床は壁方向の基礎から離して俗にいう縁切りしている通りで、今回の半分?壁工事も床・天井・既存壁すべてから縁切りし、柱との接続までも間にオーディオマニアが嫌うゴムのクッションを噛ましていますので、以前壁のような対向面の壁の振動まで伝わってくるブリッジ現象からの共振もありません。
② 中低域の抜けについて
特に低域ですが、キレるから弾む低音とは改造のたびに何度も経験してきたことですが、それが更にキレ・弾みが出ているということです。
例を挙げるとバスドラムとベースが重なって一つの音のように聞こえていたものが、後ろにドラムその前にベースときっちりと判別できるようになりました。
以前は40hz界隈はどのアルバムも曲も同じような帯域は同じような低音に聴こえたものでしたが、その違いも明確になりました。
更に、サブ・ウーファー入れると共振していた壁がほぼ無くなりましたので、これの効きが凄い!!
面白いことに部屋の角々。 低域が溜まってボワン・ボワン・もや・もや、するのが普通ですね?
それが全くないどころか角々のほうが音が良いくらいです。角は2cmの隙間を空けて縁切りしてますが、ここからも溜まった音が後ろに抜けている効果かと思います。
隙間だらけだと、さぞ遮音性が犠牲になって音が外にダダ漏れかと思われるでしょう?
ところが外側から外壁のサイディング・3cm空間・防湿シート・9mmOSB合板・12mmタイガーボード・トータルで120mm高密度グラスウールの構造なので、100dbオーバー程度の音量でも外壁に耳をピッタリつけないと聴こえないほど遮音性はキープされてます。(木造軸組み構造として極普通の作りです)
③ 包み込まれる中高域反射について
特に高い高域、8khz以上の倍音成分に包み込まれ感は対抗する反射面が無いと花が咲きません。
ただ実音帯域の反射が強すぎると癪に触るうるさい音にもなりかねないので、このバランスが心配でしたが、12mmラワン合板素地とその奥の高域吸音防止用9mmコンパネの入れ方でたまたま偶然にラッキーにバランスが取れました。
機器のハイパス・ローパスの例で高い倍音成分が再現されると低域も変わりますが、アナログの最たる部屋空間でこれが出来ると得も言われぬ心地よさです。(感じ方もありますがサーロジック和心を使われている方でしたら判るでしょう)
   ④ フラッターエコーについて
対向する面が平行だと発生する俗に言う鳴き竜現象ですが、当方ではフロント・リア間だけが残っていました。これもフロント壁全体下方から斜めにせり出すか、後ろ壁中心部を頂点にして斜めのM字型に作る等ありますが、いずれにしても空間容量を大きく削ることになりなかなか現実的ではありませんが、今回のフロート壁式につくれば7cm程度の出っ張りが増えるだけです。
以前はサーロジック・パネルを斜めに設置して解消していたものでしたが、共振の吸音にも8年間お世話になりましたこのパネルもお役御免とあいなりました。
長々となってしまいましたが、全てをブログで伝えるには作文能力のない私ですのでこの辺で終わりにしますが、感の良い方ならもう気づかれたでしょうか?
●莫大な金額を掛けなくとも、音の良い空間はできますね?
●諦めていた部屋の問題もちょっとの気合と多少の予算で解決出来そうですね?
始めは物置・少し前にオーディオ物置・やっとオーディオルームになったので当分はこのままで聴き続ける予定の私も、恐らく・・・しばらくしたら残りの壁を今回の方式で改造するでしょう(笑)
8年続いたオーディオ・ルーム新築記のブログはこれにてしばらくの間お休みとさせていただきます。
ありがとうございましたm(_ _)m